判例(競業避止)

September 29, 2017

リンクスタッフ元従業員事件‐大阪地判 平28・7・14 労働判例1157号85頁

【事案】
 Xが、元従業員であったYに対し、XY間では退職後一定期間は同業他社に就職しないこと等を内容とする競業禁止の合意があったにもかかわらずYはこれに違反した等として、損害賠償を請求したもの。

【判断】
「退職後の競業禁止の合意は労働者の職業選択の自由を制約するから、その制限が必要かつ合理的な範囲を超える場合は公序良俗に反し、無効である。
 本件についてみると、Yはいわゆる平社員にすぎないうえ、Xへの在籍期間も約1年にすぎない。他方、競業禁止義務を負う範囲は、退職の日から3年にわたって競業関係に立つ事業者への就職等を禁止するというものであり、何らの地域制限も付されていないから、相当程度に広範といわざるを得ない。
 Xは、業務手当の中には、みなし代償措置である2200円が含まれているとも主張するが、Yは、業務手当の中には、みなし代償措置が含まれているとの説明を受けたことはないと供述しているうえ、仮にこれが代償措置として設けられているとしても、その額は、Yの在籍期間全部を通じても総額3万円ほどにすぎず、上記のような広範な競業禁止の範囲を正当化するものとは到底言えない。
 そうすると、本件誓約書による競業禁止の範囲は合理的な範囲にとどまるものとはいえないから、公序良俗に反し無効であり、競業禁止の合意に基づく請求は理由がない。」

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