雪印ビジネスサービス事件‐浦和地川越支決 平12・9・27 労働判例802号63頁

【事案】
 Yに雇止めされたXらが、Yに対し、雇用契約上の地位確認等を仮に求めたもの。

【判断】
「Xらは、「X1について雇用契約の更新は多数回に及び雇用契約の更新手続は完全に形骸化しており、実質的には期間の定めのない雇用契約ということができる」旨主張する。①X1の雇用契約上の地位は、パートタイマーであり、就業規則もパートタイマーのものが適用されること(〈証拠略〉)、②パートタイマー制度は、もともとY従業員(特に正社員)の人手不足を補う一時的なものであって、もともと長期にわたる雇用を予定しているものではないこと、③X1が、期間の定めのある雇用契約を数回更新されたとはいえ、これはY側の人手不足の解消が容易ではなかったための一時的要因に過ぎないこと、④雇入通知書の記載文言などにかんがみると、雇用契約の更新手続が形骸化しているとはいいがたい。Xらの主張は採用できない。」

「Xらは、「1年ごとの雇用契約更新手続では、当時の各所長から何の説明もなく、2枚の雇用契約書が配付され、そのうちの1枚に各人が自己の住所及び氏名を記載し、押印した上、提出するという形式的なものであり、Xらの各雇用契約の更新も多数回に及び雇用契約の更新手続は完全に形骸化しており、実質的には期間の定めのない雇用契約ということができる」旨主張する。しかしながら、①Yの雇用態勢には社員と嘱託とが峻別され、そのことは就業規則においても明記されていること(例えば8条2項)、②嘱託制度は、Y従業員の人手不足を補う一時的なものであって、原則として60歳以上の者に適用されるもので、もともと長期にわたる雇用を予定しているものではないこと、③Xらが、期間の定めのある雇用契約を数回更新されたとはいえ、これはY側の人手不足の解消が容易ではなかったための一時的要因に過ぎないこと、④雇用契約書の記載文言などにかんがみると、雇用契約の更新手続が形骸化しているものとはいいがたい。Xらの主張は採用できない。」

「1 Xらの雇用契約がいずれも期間の定めのある雇用契約であることは明らかというべきである。
2 Xらは、「Xらが期間満了後の雇用の継続を期待できることに合理性が認められる」旨主張する。
 しかし、①前記認定のとおり、Xらの雇用契約がいずれも期間の定めのある雇用契約であり、その更新手続が形骸化していることはいえないこと、②Yが、平成7年ころから、60歳以上の従業員を順次減少させる人事方針を採っていたことは明らかであり(右人事方針は、作業能率を上げ、労災事故などを減少させるためのものであって、不合理なものとは認められない)、その政策が徐々に実施されていたこと、③Yにおいて、Xらの雇用契約につき平成11年3月20日時点で一旦更新拒絶を決定したものの、一般労組との交渉の過程で円満解決のために、前記更新拒絶を撤回し、平成12年3月20日まで1年間の期間の定めのある雇用契約を締結し、その際、同月21日以降の雇用契約の更新はしない旨通知していることなどの事情にかんがみると、Xらにとって、平成12年3月21日以降の雇用の継続を期待できる合理性があったとは到底認め難いというべきである。
3 そうすると、Xらについての、解雇の(類推)法理の適用はなく、平成12年3月20日をもって、雇用契約が終了したものというべきである。」