December 28, 2011

期間の定めのある労働契約は、原則は、当該期間の末日をもって、当然に終了する。(「実質上期間の定めのない契約と異ならない状態にあると認められる場合」や、「雇用の継続が期待されその期待が法的保護に値すると認められる場合」には、解雇権濫用法理(労契法16条)の類推適用がなされる。)

期間の定めのある労働契約を、その満了日を待たずに、期間途中で解除(使用者による「解雇」のみならず、労働者による「辞職」についても)するには『やむを得ない事由』を要する(民法628条)。

「期間の定めのある労働契約の場合は、民法628条により、原則として解除はできず、やむことを得ざる事由ある時に限り、期間内解除(ただし、労働基準法20、21条による予告が必要)ができるにとどまる。したがって、就業規則・・・の解雇事由の解釈にあたっても、当該解雇が、3か月の雇用期間の中途でなされなければならないほどの、やむを得ない事由の発生が必要であるというべきである。」(安川電気八幡工場(パート解雇)事件-福岡高決 平14・9・27 労判840号52頁)

一般労働者による期間途中での契約解除(辞職)は、期間の定めが1年を超えるものについては、契約期間の初日から1年を経過した日以後はいつでもできる。(労基法附則137条)

「一定の事業の完了に必要な期間を定めるものを除き、1年を超える期間の有期労働契約を締結した労働者であって、法第14条第1項各号に規定する労働者以外の者は、当該労働契約の期間の初日から1年を経過した日以後においては、民法第628条に定める事由が存在していなくとも、その使用者に申し出ることにより、いつでも退職することができるものであること。なお、上記の措置は、改正法施行後3年を経過した場合において、法第14条の規定について、その施行の状況を勘案しつつ検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるまでの間において有効であるものであること。」(平15・10・22基発1022001号)

労働契約法(17条1項)は、使用者による期間途中での契約解除(解雇)については、『やむを得ない事由』がある場合でなければできないと規定する。

労働契約法17条1項ついて、施行通達(平20・1・23基発0123004号)は、「有期契約労働者の実態をみると、契約期間中の雇用保障を期待している者が多く見られるところである。この契約期間中の雇用保障に関しては、民法第628条において、「当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる」ことが規定されているが、「やむを得ない事由があるとき」に該当しない場合の取扱いについては、同条からは明らかでない。このため、法第17条1項において、「やむを得ない事由があるとき」に該当しない場合は解雇することができないことを明らかにしたものであること。」との趣旨を示し、また、「「やむを得ない事由」があるか否かは、個別具体的な事案に応じて判断されるものであるが、契約期間は労働者及び使用者が合意により決定したものであり、遵守されるべきものであることから、「やむを得ない事由」があると認められる場合は、解雇権濫用法理における「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当である」と認められる場合よりも狭いと解されるものであること。」としている。

「期間の定めのある労働契約は、「やむを得ない事由」がある場合に限り、期間内の解雇(解除)が許される(労働契約法17条1項、民法628条)。このことは、その労働契約が登録型を含む派遣労働契約であり、たとえ派遣先との間の労働者派遣契約が期間内に終了した場合であっても異なることはない(・・・・・・)。
 この期間内の解雇(解除)の有効性の要件は、期間の定めのない労働契約の解雇が権利の濫用として無効となる要件である「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合」(労働契約法16条)よりも厳格なものであり、このことを逆にいえば、その無効の要件を充足するような期間内解除は、明らかに無効であるということができる。(プレミアライン(仮処分)事件-宇都宮地栃木支決) 平21・4・28 労判982号5頁)

「債権者らと債務者との間の雇用契約の期間は、平成・・・日から同年・・・日までであると認められるところ、・・・日付け解雇は、有期契約の期間途中の解雇に該当し、使用者は、「やむを得ない事由」がある場合でなければ、当該労働者を有期契約の期間途中に解雇することはできない。(労働契約法17条1項、民法628条)」(アンフィ二(仮処分)事件-横浜地決 平21・10・9 労判1000号30頁)

「期間内の解雇は、・・・「やむを得ない事由」(労働契約法17条1項、民法628条)のある場合に限って許されるところ、それは、期間の定めのない労働契約の解雇が権利の濫用として無効となる要件である「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合」(労働契約法16条)よりも厳格に解されるべきであるから、期間の定めのない労働契約における解雇権濫用の法理の一形態である整理解雇の要件をそのまま当てはめるのは妥当ではない。」(アウトソーシング事件-津地判 平22・11・5 労判1016号5頁)

「本件雇用請書には、「研修期間内に雇い入れることができないと認めたときは、予告なしで雇用を解除する。」との規定が置かれているが、同規定にいう解除は、当事者の一方による解約の意思表示を意味するから、解雇にほかならない。ところで、・・・判示のとおり、本件労働契約は、期間の定めのある労働契約であるから、労働契約法17条1項により、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができないのであり、労働契約の当事者が、やむを得ない事由がない場合でも解雇は可能である旨を合意したとしても、そのような合意は無効とされる。そして、同条にいう「やむを得ない事由」とは、期間の定めのない労働契約につき解雇権濫用法理を適用する場合における解雇の合理的理由より限定された事由であって、期間の満了をまたず直ちに契約を終了されざるを得ない事由を意味し、労働者の就労不能や重大な非違行為がある場合などに限られると解される」(奈良観光事件-大阪地判 平23・2・18 労判1030号90頁)

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