保険給付(傷病手当金、老齢厚生年金など)の支給、保険料の徴収の主な基になる「標準報酬月額」は、①定時決定(毎年4月・5月・6月に支払われた給与を基礎に決定。健保法41条・厚年法21条)、②取得時決定(被保険者資格を取得したときの給与を基礎に決定。健保法42条・厚年法22条)、③随時改定(固定的賃金の変動があった月以後3か月に支払われた給与を基礎に改定。「月変」ともいう。健保法43条・厚年法23条)、④育児休業終了時改定(育児休業終了日の翌日が属する月以後3か月に支払われた給与を基礎に改定。健保法43条の2・厚年法23条の2)によって決められている。

事業主が経営上の困難を理由に一時的に従業員を休業させる場合において、不可抗力以外は、労基法26条の「使用者の責に帰すべき事由」に該当し(「ノース・ウェスト航空事件」S62・7・17 最高裁第2小法廷)、休業手当の支払い義務が生じることになるが、一時帰休によって休業手当等が支払われる場合の標準報酬月額について『S50・3・29 保険発第25号・庁保険発第8号、H15・2・25 保保発0225004号・庁保険発第3号』は次のような扱いをするように通達している。

定時決定に関しては、「標準報酬月額の定時決定の対象月に一時帰休に伴う休業手当等が支払われた場合においては、その休業手当等をもって報酬月額を算定し、標準報酬月額を決定すること。ただし、標準報酬月額の決定の際、既に一時帰休の状況が解消している場合は、当該定時決定を行う年の10月(編注:現行「9月」)以後において受けるべき報酬をもって報酬月額を算定し、標準報酬月額を決定すること。」

取得時決定に関しては、「新たに使用される者が、当初から自宅待機とされた場合の被保険者資格については、雇用契約が成立しており、かつ、休業手当が支払われるときは、その休業手当等の支払の対象となった日の初日に被保険者の資格を取得するものとすること。自宅待機者の標準報酬の決定については、現に支払われる休業手当等に基づき決定し、その後、自宅待機の状況が解消したときは随時改定の対象とすること。」

随時改定に関しては、「一時帰休に伴い、就労していたならば受けられるであろう報酬よりも低額な休業手当等が支払われることとなった場合は、これを固定的賃金の変動とみなし、随時改定の対象とすること。ただし、当該報酬のうち固定的賃金が減額され支給される場合で、かつ、その状態が継続して3か月を超える場合に限るものであること。」

「なお、休業手当等をもって標準報酬月額の決定又は改定を行った後に一時帰休の状況が解消したときも、随時改定の対象とすること。」