山本工務店事件-最小2判 昭40・6・18

【事案】
 Xの代表者Aが、Xに使用される者(A以下14名)の健康保険・厚生年金被保険者資格取得届をYに提出したところ、Yは遡及してAらの被保険者資格取得の確認処分を行った。
 当該確認処分にもとづき、YはXに対し遡及分を含む保険料の納入告知(賦課処分)を行ったため、Xは同処分を不服とし、社会保険審査会に審査請求をしたが棄却され提訴した。
 1審、2審ともにXの請求を棄却したため、上告。

【判断】
「 おもうに、健康保険法および厚生年金保険法が、被保険者は適用事業所に使用されるにいたった日からその資格を取得する(・・・)と規定しながら、被保険者資格の取得は保険者・・・の確認によってその効力を生ずる(・・・)と規定している。これは、広く労働者をして、かかる保険制度の利益に浴せしめるとともに、共同の危険を合理的に分散し、また危険度の高い者だけが保険に加入する弊を防止するため、適用事業所に使用されるにいたった労働者はその日から当然に被保険者資格を取得することとするが、労働者が被保険者資格を取得することによって保険者と被保険者並びに事業主との間に重大な法律関係が生ずるところから、資格取得の効力の発生を確認にかからしめ、保険者・・・が事業主の届出または被保険者の請求に基づき或いは職権でその確認をするまでは、資格の取得を有効に主張し得ないこととしたものである。従って、確認は、所論のごとく事業主の届出の日または確認の時を基準とすることなく、資格取得の日を基準として行うべきであり、確認が行われると、当事者は、資格取得の日に遡ってその効力を主張し得ることになるものと解するのが相当である。」