December 28, 2017

「自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇」として給付制限を行う場合の認定基準(行政手引52202)

イ 刑法各本条の規定に違反し、又は職務に関連する法令に違反して処罰を受けたことによって解雇された場合
 刑法に規定する犯罪又は行政罰の対象となる行為を行ったことによって解雇された場合である。行政罰の対象となる行為とは、例えば自動車運転手が交通取締規則に違反する場合等をいう。
 この基準は「処罰を受けたことによって解雇された場合」であるから、単に訴追を受け、又は取調べを受けている場合、控訴又は上告中で刑の確定していない場合は、これに包含されない。
 また、刑法第1編第4章の「執行猶予」中の者は単に刑の執行を猶予されているにとどまり、刑は確定しているのであるからこれに該当し、「起訴猶予」の処分を受けたものは刑が確定しているのではないからこれに該当しないことはいうまでもない。

ロ 故意又は重過失により事業所の設備又は器具を破壊したことによって解雇された場合
 事業主に対して損害を与え、しかもそれが故意又は重過失に基づくものである場合は、当然自己の責めに帰すべき重大な理由によるものである。

ハ 故意又は重過失によって事業所の信用を失墜せしめ、又は損害を与えたことによって解雇された場合
 被保険者の言動によって事業主又は事業所に金銭その他物質的損害を与え、又は信用の失墜あるいは顧客の減少等の無形の損害を与えたことによって解雇された場合である。

ニ 労働協約又は労働基準法(船員については、船員法)に基づく就業規則に違反したことによって解雇された場合
 労働協約又は就業規則に定められた事項は被保険者が守るべきものであり、これに違反したことによって解雇された場合には、イ~ハ又はホ~トの基準に該当しない場合でも自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇と認められることがある。
 この場合にも、労働協約又は就業規則違反の程度が軽微な場合には、本基準に該当しないものであり、本基準に該当するのは、労働者に労働協約又は就業規則に違反する次の(イ)~(ニ)の行為があったため解雇した場合であって、事業主が労働基準法第20条第3項において準用する同法第19条第2項の規定(船員については、船員法第44条の3第3項の規定)による解雇予告除外認定を受け、同法第20条(船員については、第44条の3)の解雇予告及び解雇予告手当支払の義務を免れるときである。
(イ) 極めて軽微なものを除き、事業所内において窃盗、横領、傷害等刑事犯に該当する行為があった場合
(ロ) 賭博、風紀紊乱等により職場規律を乱し、他の労働者に悪影響を及ぼす行為があった場合
(ハ) 長期間正当な理由なく無断欠勤し、出勤の督促に応じない場合
(ニ) 出勤不良又は出欠常ならず、数回の注意を受けたが改めない場合

ホ 事業所の機密を漏らしたことによって解雇された場合
 事業所の機密とは、事業所の機械器具、製品、原料、技術等の機密、事業所の経営状態、資産等事業経営上の機密に関する事項等を包含する。
 これらの事項は従業員として当然守らなければならない機密であり、これを他に漏らしたことによって解雇されることは、自己の責めに帰すべき重大な理由と認められる。

へ 事業所の名をかたり、利益を得又は得ようとしたことによって解雇された場合
 事業所の名を悪用し、自己の利益を得又は得ようとしたことによって解雇された場合で、この場合事業主に有形無形の損害を与える場合もあり、事業主に損害を与えない場合でも詐欺又は背任罪の成立する場合もある。

ト 他人の名を詐称し、又は虚偽の陳述をして就職したために解雇された場合
 被保険者が事業所に雇用されるに当たって、就職条件を有利にするため他人の履歴を盗用し、あるいは技術、経験、学歴等について自己の就職に有利なように虚偽の陳述をして採用され、後に発覚したことによって解雇された場合である。

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