医療法人社団創恵会事件‐東京地判 平28・8・30 労働判例1157号83頁

【事案】
 Xらが、Yが、年金事務所等に対してXらがYに一定期間雇用されていた期間におけるXらとの雇用関係の存在を否定したため、Xらの社会保険関係等において現在及び将来の地位について不利益を生ずるおそれがあるとして、一定期間の雇用関係が存在したことの確認を求めたもの。

【判断】
「本件では、確認の利益に関して当事者間に争いはないが、訴訟要件であるため、念のため検討する。本件請求は、XらがYとの間で特定期間の雇用関係が存在したことの確認を求めるものであり、いわゆる過去の権利関係について確認を求めるものである。しかし、Xらは、現在雇用関係は終了しているが、Yがハローワークや年金事務所に対してXらとの過去の雇用関係の存在を否定し、既払いの保険料の還付手続を申し立てるなど、Yとの関係で紛争が生じているのみならず、関係各機関との間でも社会保険の給付関係等で将来的に不利益を受けるおそれが生じているところ、これらの問題を抜本的有効的に解決するには、XらがF1クリニックに在勤中にYとの間で雇用関係が存在したことの確認を求めるほかに有効適切な方法は見当たらない。確かに、Yとの関係で雇用関係を確認しても第三者にその判決効が拡張されるものではないが、本件ではXらとYとの間で雇用関係が確認されれば、それが国その他の利害関係者との関係でも事実上の行動準則になり、紛争が統一的に解決される可能性が期待できるため、確認の利益ないしY適格を肯定するのが相当である。」